SMA研究ニュース

脊髄性筋萎縮症(SMA)に関する海外からの研究情報

ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)のSMAでの効果を検証する目的で台湾の高雄医学大学にて行われた臨床試験の結果が2007年12月29日に発表された。この試験では、SMA2型と3型の患者合わせて33人の参加者を3つのグループに分け、それぞれに1日に体重1キロあたり20mg、30mg、40mgのヒドロキシウレアを8週間投与された。30mgのグループに関しては、4週間の時点に若干の筋力増加、8週間の時点に有効なSMN 「伝令RNA」増量が判明した。試験担当の医師によると、ヒドロキシウレアはSMN2遺伝子発現を促す効果があると考えられるが、より大規模の臨床試験での確認が求められる。
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SMAのES細胞治療 前臨床実験へ 

SMAのES細胞治療確立に向けて、米FSMA、ES細胞研究者のカリフォルニア大学ハンズ・キアステッド博士及びカリフォルニア幹細胞株式会社(CSC)による三者提携が2月19日に発表された。同提携は、人間を対象とした臨床試験の許可をFDA(米国食品医薬品局)から得るに当たって必要となる前臨床試験を行うことが目的。具体的には、ES細胞から誘導されたヒト運動神経前駆細胞の安全性を評価する動物実験を行う予定である。
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  • カテゴリー:ES細胞
  • 運動ニューロン保護のための新薬「TRO19622」の開発を進めるフランスのTrophos社は、SMA患者による「第1b」相臨床試験の参加者募集を開始していることを明らかにした。TRO19622は前臨床試験では運動ニューロンのアポトーシス(いわゆる細胞自殺)を防いでいることから、運動ニューロンの保護、再生に役立つと期待されている。(2006年12月の記事もご覧下さい。)
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    2006年6月に発表された通り、アイスランドのデコード社と米FSMAの共同薬剤開発プロジェクトはSMA治療薬候補品の最終選定が無事に終了し、新薬臨床試験開始届(IND申請)のための安全性試験を開始することが可能になった。これらの試験は約1年間かかると見られ、成功したら第一相臨床試験が可能になる。SMAをターゲットとした新薬が安全性試験の段階まで進んだのは史上初の功績である。このプロジェクトはこれまで7年間、1千万ドルもかかっている。治療薬の候補品はこれまでの実験でSMN1型の患者から採った細胞でSMNタンパク質の量を大幅に増やすという強い効力を持ち、またSMAマウスでは症状の改善が確認されている。
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  • カテゴリー:低分子, 薬剤開発
  • 米コールド・スプリング・ハーバー研究所にてSMA患者からの繊維芽細胞を使った実験では、SMN2遺伝子の働きを妨げるmRNAスプライシング欠陥を、あるアンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)の投与により修正できることが分かった。効果が見られたASOは、次にSMAマウスを使用した実験に試される予定である。
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  • カテゴリー:低分子, 薬剤開発
  • SMAマウスでは発症後の症状緩和が可能

    米国の「国立保健研究所」にて行われた実験では、マウスではSMA発症後に症状の緩和が可能であることが明らかになった。研究主任のフィッシュベック博士によると「人間では筋力低下など症状が出た後にSMAと診断されることが圧倒的に多いため、概念実証として非常に有意義な結果です」。実験に使われた薬剤はトリコスタチンAというヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬で、SMAマウスのSMN2遺伝子を活性化する作用によって症状が緩和された。バルプロ酸などHDAC阻害薬を対象とした臨床試験が現在実施中ですが、いずれもHDAC阻害効果が比較的に弱い。HDAC阻害効果が強いトリコスタチンAは人間への投与が認可されていないが、「ガンなどの治療薬として開発中の同様な薬剤はSMAの治療薬としても有用かもしれない」という。
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    臨床試験のアップデート

    2006年6月にカナダのモントリオールで米FSMAによる研究報告会が開催された。現在実施中の臨床試験については以下の報告があった。

    • バルプロ酸を対象としたProject Cure SMAの非盲検試験については、参加者40人のうち体重増加や変化が見られないことを理由に4人が途中辞退したが、残りの参加者はハッマースミススケール(40点満点)により機能改善を測ったところ、6点の平均スコアアップが見られた(+3点が臨床的に有意義とされる)。年齢別でみると5才未満では93%、5才以上では37%の参加者が有意義なスコアアップを記録した。
    • ヒドロキシウレアを対象としたスタンフォード大学の臨床試験については、この薬は基本的に安全であることが確認された。数人では白血球数の減少が見られたが一時的なものに止まった。一部の参加者ではSMN蛋白質の増量が確認されたが、盲検試験のためヒドロキシウレアによるものかどうかはまだ不明である。

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    運動ニューロン保護のための新薬「TRO19622」の開発を進めるフランスのTrophos社は、ALS患者による「第1b」相臨床試験が成功したことを12月7日に発表した。この試験によって、TRO19622は経口経路を通しても有効量が投与でき、ALS患者の人体に安全であることが確認された。これにより、ALS患者を対象とした第二・三相臨床試験の実施が可能になる。また、欧州のSMA患者による「第1b」相臨床試験を2007年前半から実施する予定であることを発表した。TRO19622は前臨床試験では運動ニューロンのアポトーシス(いわゆる細胞自殺)を防いでいることから、運動ニューロンの保護、再生に役立つと期待されている。(2006年1月の記事もご覧下さい。)
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    6月にカナダのモントリオール市で米FSMAによる研究報告会が開催された。アイスランドのデコード社とFSMAの共同薬剤開発プロジェクトについては以下の報告があった。(2月の記事もご覧下さい。)

    • これまでの研究で最も有望とされる低分子2,4-diaminoquinazoline(2,4ジアミノ・キナゾリン)はSMN1型の患者から採った細胞ではSMNタンパク質の量を保因者と同レベルまで増やすという強い効力を持つことが確認されている。
    • これからの半年は、この低分子の最適化を完了し治療薬候補の最終選定を行った上で、新薬臨床試験開始届(IND申請)のための諸実験を開始する予定である。
    • これらの実験が無事に成功した場合には、2007年末にIND申請が提出できると考えられる。米国の法律によって、IND申請提出30日後には健常者による第一相臨床試験の開始が可能になる。

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  • カテゴリー:低分子, 薬剤開発
  • 英Vastox社の創薬研究が前臨床段階へ

    英国のバイオ企業バストックス社(Vastox)は2005年からショウジョウバエを使用したSMA治療薬の創薬プロジェクトを行っているが、ショウジョウバエのSMAモデルでは症状を改善する分子を発見していることが明らかになった。同社は臨床応用に向けて2007年前半から分子の最適化に着手すると発表した。(ショウジョウバエのモデル生物としての利点についてはこちらをご覧下さい。)
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  • カテゴリー:薬剤開発
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    脊髄性筋萎縮症(SMA)に関する研究について、海外からの最新情報をお届けするページです。海外の最新情報をより分かりやすくお伝えできるように努めていますが、あくまでも一個人が作成しているものですので、医療の専門家ではないということをご了承ください。

    用語集

    • SMNタンパク質=運動ニューロンの発達、活動に必要なタンパク質。SMAではこのタンパク質の不足によって運動ニューロンが劣化、死滅する。
    • SMN1遺伝子=SMNタンパク質を作る遺伝子。SMA患者は欠失している。
    • SMN2遺伝子=SMNタンパク質を作るもう一つの遺伝子。SMA患者でも持っている。ただし、SMN1遺伝子の不完全なコピーであるため作られるタンパク質のほとんどは本来の役割が果たせない。
    • 第一相臨床試験=開発中の薬剤を健常者(又は患者)に投与することによって安全性を確認する試験。
    • 第二相臨床試験=第一相試験で安全性が確認された薬剤を少数の患者に投与することによって薬の用量、効果を調べ、安全性を確認する試験。
    • 第三相臨床試験=より多数の患者に投与することによって薬の効果などについて更に詳しい情報を集め、安全性を確認する試験。